地域の人って地域内で働いているの?
どんな産業で働く人が多いの?
そういったご質問をいただくことは少なくありません。
この答えは、ミクロな視点で見ると地域の独自性が垣間見れて興味深い。
マクロな視点で言えば首都圏とあまり変わらないと思っています。
例えば働く業界は、首都圏よりも種類は少ないとはいえ多種多様にあり、個人事業主やリモートワーカーも含めればとても多岐に渡ります。
勤務先も、市内で働く人もいれば、都内に通勤する人もいる。ベッドタウンだってあります。
この記事では、ミクロな視点でご紹介していきます。
Contents
日立市の就業者の流動状況
(出典:2015年国勢調査)
日立市には、近隣の市町村から多くの就業者が通勤されています。
なお、2020年の統計では、日立市民かつ市内での就業者が74,335人(47.1%)、県内の他市町村での就業者が15,077人(9.7%)、他県での就業者が1,361人(0.9%)と、約半数が市内で就業されており、日立市の昼間人口比率は、106.3%と超過傾向にあります。
これは茨城県内の昼間人口比率は、水戸市・土浦市に次ぐ4番目の高水準です。
その要因としては、(株)日立製作所をはじめとする多くの工場が立地し、国内有数の工業都市であることや茨城県北部の中核都市としての機能を有する地域であることが考えられます。
では、実際にどんな産業で働く人が多いのでしょうか。
日立市の産業別の従業員数TOP10
産業大分類別にみた従業員数TOP10をご紹介します。
1位:製造業(21,492人)
2位:卸売業、小売業(12,273人)
3位:医療、福祉(9,725人)
4位:情報通信業(6,265人)
5位:宿泊業、飲食サービス業(5,667人)
6位:学術研究、専門・技術サービス業(5,529人)
7位:サービス業(他に分類されないもの)(4,956人)
8位:建設業(4,575人)
9位:運輸業、郵便業(3,793人)
10位:生活関連サービス業,娯楽業(2,833人)
続いて中分類別にみた従業員数TOP10をご紹介します。
1位:電気機械器具製造業(7,968人)
2位:情報サービス業(6,098人)
3位:医療業(5,127人)}
4位:飲食料品小売業(4,421人)
5位:社会保険・社会福祉・介護事業(4,319人)
6位:飲食店(4,089人)
7位:はん用機械器具製造業(3,617人)
8位:技術サービス業(3,564人)
9位:その他の小売業(3,230人)
10位:非鉄金属製造業(2,382人)
大分類では製造業がダントツに多く、約26%もの方々が働いています。
中分類でもやはり製造業が複数ランクインしていますが、2番目に情報サービス業が多い結果となっています。
※2021年6月1日時点での総数(事業所数:6,148事業所・従業者数:83,009人)
陸太田市の就業者の流動状況
2010年と古く、通勤と通学が一緒になっているデータではありますが、常陸太田市は近隣市町村へ通勤する方々が多い市です。
なお、2020年の統計では、常陸太田市民かつ市内での就業者が11,128人、県内の他市町村での就業者が11,445人、他県での就業者が328人と、茨城県内での昼間人口比率は40番目と低い水準です。
その要因としては、県北地域の中心に位置することや水戸市街地まで3~40分(通勤時の渋滞を加味せず)といった立地による交通環境の良さから、南隣の那珂市と同様にベッドタウンとしての側面があると考えられます。
では、実際にどんな産業で働く人が多いのでしょうか。
常陸太田市の産業別の従業員数TOP10
産業大分類別にみた従業員数TOP10をご紹介します。
1位:卸売業、小売業(2,729人)
2位:製造業(2,437人)
3位:医療、福祉(2,392人)
4位:建設業(1,157人)
5位:生活関連サービス業、娯楽業(930人)
6位:宿泊業、飲食サービス業(713人)
7位:サービス業(他に分類されないもの)(494人)
8位:運輸業、郵便業(420人)
9位:総合サービス業(313人)
10位:金融業、保険業(211人)
続いて中分類別にみた従業員数TOP10をご紹介します。
1位:社会保険・社会福祉・介護事業(1,533人)
2位:飲食料品小売業(1,134人)
3位:医療業(859人)
4位:その他の小売業(822人)
5位:総合工事業(684人)
6位:飲食店(515人)
7位:洗濯・理容・美容・浴場業(440人)
8位:食料品製造業(360人)
9位:娯楽業(353人)
10位:電気機械器具製造業(328人)
大分類では卸売業・小売業、製造業、医療・福祉が大半を占め、約61%もの方々が働いています。
中分類では製造業は24種類に細かく分類されているため、食料品と電気機械器具の製造業のみのランクインとなりました。
※2021年6月1日時点での総数(事業所数:1,621事業所・従業者数:12,394人)
※出典:令和3年経済センサス
大子町は福島県と栃木県に隣接していることもあり、県を跨いで通勤し合う方々が多い町です。
県内での通勤では、国道118号線(茨城県水戸市~福島県会津若松市)で結ぶ南隣の常陸大宮市や、更に南下した水戸市をはじめ、東隣に位置する常陸太田市の就業者も多いです。
その要因としては、幹線道路やJR水郡線(茨城県水戸市~福島県郡山市)など交通事情によるものが大きいと考えられます。
一方で、茨城県内での昼間人口比率は18番目と高めの水準です。
では、実際にどんな産業で働く人が多いのでしょうか。
大子町の産業別の従業員数TOP10
産業大分類別にみた従業員数TOP10をご紹介します。
1位:卸売業、小売業(1,248人)
2位:製造業(959人)
3位:医療、福祉(948人)
4位:建設業(725人)
5位:宿泊業、飲食サービス業(539人)
6位:生活関連サービス業、娯楽業(263人)
7位:運輸業、郵便業(248人)
8位:サービス業(他に分類されないもの)(185人)
9位:農業、林業(146人)
10位:学術研究,専門・技術サービス業(83人)
続いて中分類別にみた従業員数TOP10をご紹介します。
1位:社会保険・社会福祉・介護事業(553人)
2位:総合工事業(526人)
3位:飲食料品小売業(513人)
4位:その他の小売業(430人)
5位:医療業(395人)
6位:飲食店(258人)
7位:宿泊業(240人)
8位:食料品製造業(162人)
9位:洗濯・理容・美容・浴場業(159人)
10位:はん用機械器具製造業(148人)
大分類では上記の常陸太田市と同様に、卸売業・小売業、製造業、医療・福祉が大半を占め、約
57%もの方々が働いています。
また、第1次産業就業者の比率は茨城県内で5番目に高く、農業・林業も3地域で唯一ランクイ
ンしており、兼業農家も含めると更に上位となる可能性も少なくありません。
中分類では、袋田の滝をはじめ県内有数の認知度を誇る観光地でもあるため、宿泊業の従業者数
が割合多い印象です。
※2021年6月1日時点での総数(事業所数:880事業所・従業者数:5,559人)
※出典:令和3年経済センサス
近隣市町村までの移動時間
県外に住んでいると各市町村の距離感が見えにくいと思いますので、補足として車での移動時間を共有します。
調査方法:Googleマップ
設定日時:11月15日(金)7:30出発
その他 :有料道路以外を移動
【日立市役所から周辺市町村まで】
・北茨城市役所まで :通常40分~70分
・高萩市役所まで :通常26分~45分
・常陸太田市役所まで :通常30分~45分
・常陸大宮市役所まで :通常50分~65分
・大子町役場まで :通常60分~70分
・那珂市役所まで :通常45分~65分
・東海村役場まで :通常30分~55分
・ひたちなか市役所まで:通常45分~75分
・水戸市役所まで :通常60分~100分
【常陸太田市役所から周辺市町村まで】
・北茨城市役所まで :通常60分~70分
・高萩市役所まで :通常45分~50分
・日立市役所まで :通常35分~45分
・常陸大宮市役所まで :通常20分~30分
・大子町役場まで :通常50分~60分
・那珂市役所まで :通常14分~24分
・東海村役場まで :通常16分~22分
・ひたちなか市役所まで:通常30分~50分
・水戸市役所まで :通常40分~70分
【大子町役場から周辺市町村まで】
・北茨城市役所まで :通常75分~95分
・高萩市役所まで :通常60分~70分
・日立市役所まで :通常65分~75分
・常陸太田市役所まで :通常50分~60分
・常陸大宮市役所まで :通常35分~50分
・那珂市役所まで :通常50分~70分
・東海村役場まで :通常65分~75分
・ひたちなか市役所まで:通常70分~100分
・水戸市役所まで :通常75分~100分
・福島県矢祭町まで :通常18分~22分
・栃木県那珂川町まで :通常28分
まとめ
本記事では、3地域に住んでいる方々はどこに通勤するのか、どんな業界で働く人が地域内に多いのかを紹介しました。
隣接する地域でもミクロな視点で見ると以外と独自性があります。
これまで地域で蓄積されてきた歴史、自然や気候などの環境、地形などによる交通環境、市町の方針などあらゆる背景が重なりあって現在の形になったのでしょう。
今回ご紹介したどの産業のどの事業所も人が立ち上げ、人が働き、人の暮らしを支えています。
人口が少ない地域において、1人の参画が大きな力になることも少なくありません。
そして今後の社会情勢等の課題も相まって、都市部も含め日本中で何らかの変化が必要になっています。
その日本が抱える課題の最前線にあるのが、地方と言われる地域。
各3地域の課題や行政が掲げる方針なども別の記事で紹介していますので、ぜひご覧ください。
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