例えば、収益の改善・販路拡⼤・新規事業・⼈事体制の⾒直しなど。
⼤⼩様々な違いはあれど、社内の課題を抱えていらっしゃる地域企業は少なくありません。
その多くは、解消に向けて取り組んでいきたい・将来的には取り組まなければならないとも思われています。
なかなか実⾏できない要因は、それらをできる⼈材やノウハウの不⾜、はたまた、既存の業務が忙しくて取り組み始める時間的な余裕がないことが根本にあると感じています。
⼀⽅で、⾃⾝の経験やスキルを活かして誰かに貢献したい。⼒を試したい。本業とは異なる環境で経験を積んでスキルアップしたい。
そんな熱意のある地域外の、いわば、その分野のプロフェッショナルな知識やスキルを持った⽅々が、副業プロジェクトに参画し活躍されています。
これから、副業プロジェクトを実施された(または実施中の)事業者にお話を伺った内容を、複数回に渡って共有していきます。(同様の内容を動画でも配信します)
地域の企業がどんなプロジェクトを⽴ち上げ、どんな副業⼈材の⽅と、実際にどう進められたのか。
地域企業の皆様にとっても、副業に関⼼のある⼈材の皆様にとってもご参考になれば幸いです。
Contents
今回の舞台
常陸⼤⼦駅前にある「⼤⼦商店」という⼟産物店。
「駅前の商店街で⼤⼦町の物が買えるところがない」と以前から⾔われていたこともあり、町内で頑張っている⽅のアンテナショップ的な役割も果たすべく、空き店舗を活⽤して2021年にOPENされました。
商品に対する愛情と築100年を越える建物が醸し出す温かくてほのぼのした店内には、町産の美味しい⾷べ物や魅⼒的なグッズが所狭しと並んでいます。
町内で⼈気の古⺠家カフェ「daigocafe」やゲストハウス「daigohouse」なども営まれている、⼤⼦商店オーナーの笠井さんに副業⼈材と協働したプロジェクトについてお話を伺いました。
プロジェクトの概要
⼤⼦商店では、⼤⼦町で頑張っている⽅の商品や町内のいいものを集めて販売されています。
その⼀⽅で、オリジナル商品の開発も進められています。
今回のプロジェクトでは、その商品を包むパッケージデザインの完成をメインに、素材や加⼯の選定・コスト・オペレーション・コンセプト・ネーミングなど商品化に向けた複合的な取り組みを2名の副業⼈材と共に実施されました。
プロジェクトを始めた⽬的
■笠井さん:
『アップルパイの⼩さいバージョンを作ったんですけど、例えば職場だったりお友達とかに「お⼟産だよ」って配れるような商品を作らせていただいて、お⼟産を受け取った⽅にも⼤⼦町を知ってもらうきっかけになったら良いな。と、今回のプロジェクトを始めさせていただきました』
⾷べて美味しい、貰って嬉しいといった消費者への想いと⼤⼦町への想いを込めたお⼟産からは、笠井さんの両者へ向けた愛情を感じます。
アップルパイと決めたのは、以前から町内で⼈気がありつつも、なかなかお⼟産としてみんなに配ることができる⼩分けの商品がなかったことから。
地域の⽅々と商品のイメージから考えて、作り上げられたそうです。
しかし、具体的な構想は出来ていたものの、パッケージなどのデザインができる⽅との繋がりがなく、誰に相談したら良いか分からない。
そのような状況の中で副業⼈材との協働する⼿法の存在を知り、プロジェクトを実施されました。
プロジェクトの内容
■笠井さん:
『⼤⼦商店は、地域の皆さんと⼀緒に商品を作ってるんですね。
それと同じく、配置だったり箱の⾊だったり全部みんなで話をして作り上げていった感じですね。
これが最終的なパッケージのデザインなんですけど、可愛くて好評だったところでございます。』
パッケージのデザインだけでなく、商品のコンセプトやストーリー、ネーミングもデザイナーのAさん(副業⼈材)が中⼼となってアイデアを出し合いながら、現地やオンラインで何度も相談しながら進められたそうです。
■笠井さん:
『ネーミングも皆んなで(アイデアを)出したんですけども、なかなかまとまんなかった時期があったりしてですね。
2回か3回、それについて打合せをしたりしてたんですけれども、それでもですね、なんかこう1つ1つ⾔葉を選んでって皆んな考えていくっていうようなところで。
最終的には「こづつ実りんご」っていう名前ができたので、そういった意味ではプロセスも良かったのかなと思います。皆んなもすごく気に⼊ってくれてると思います。』
そのほか、Aさんの紹介で、パッケージの制作を得意としている印刷会社との繋がりができたそうです。
⼤⼦商店では今後も新商品を開発予定とのこともあり、製品のクオリティが⾼く専⾨的な知識のある事業者を選定されました。
■笠井さん:
『⼤⼦町でなかなか⼿配ができないような事業者と繋いでいただいたりしたので、⾊んな可能性がまた広がってきたかなと。
Aさんも「これからシリーズでなんか作ろうよ」って話をしてくれてですね、そういう継続的にやっていけるような道筋もできたのかなと思います。』
副業⼈材について
何⼈もの⽅々から応募があり、知識や経験だけでなく熱意や地域に関わりたいという想いも加味して選考されたそうです。
■笠井さん:
『Aさんは、茨城出⾝なので茨城に関わることをやりたい。これから⾃分の仕事だけじゃなくてそういうことをやっていきたいとおっしゃっていました。
Bさんは、地域のこと、特に⼤⼦町をもっと知りたいっていうお話をしていただきました。』
プロジェクトに求められる能⼒が合致することは、とても重要なこと。
それに加え、互いの相性や想いが合うことで熱量が⾼くなり、当初に想像していた以上の成果が⽣まれることが少なくありません。
■笠井さん:
『⾃分の仕事をしつつ今回のプロジェクト参加だったので、⽚⼿間でなんか形になるのかなって最初思ったんですけれども、思った以上の成果を出していただいて凄くありがたかったって思いますね。
なかなか時間が厳しかったところはあるんですけども、その中でも本当に⼀⽣懸命真剣に考えてプロジェクトを進めいただいて、凄く熱⼼にやっていただいたので。本当に良い⽅達と出会えました。
もう他の会社からもオファーがあったみたいな広がりも出てきたので、凄い良い感じになってきたかと思いますね。』
今回はタイミングが合わずお話を伺えませんでしたが、以前にAさんはこんなコメントをされていました。
■Aさん:
『⼤⼦町の今後のこと、笠井さんの熱い思いに触れ、良いものを作りたいという思いが益々強くなっていきました。
プロジェクトが終わった後のことも考えられていて、ワクワクしています。
引き続き、⼤⼦商店および⼤⼦町に関わっていけたらと思っております。』
これまで縁がなかったところに繋がりが⽣まれる。
それは両者だけでなく、地域にとっても⼤きな可能性を秘めていると感じています。
プロジェクトの感想
■笠井さん:
『なかなか地元だと⼿配ができないようなところだったり、実際に動いてくれる・相談できる相⼿もいないって部分もあるので、ピンポイントでそういう相談ができる⽅を副業⼈材のプロジェクトの中で⾒つけていただいて、⾃分が思ったことが形になるっていうのは凄く楽しいことだなと思います。
うちの場合はデザインだったんですけども、相談できるっていうのは凄く⼤事なこと。
やっぱり、なかなか前に進めないところが⼀緒に作れるっていうのが1番ありがたいことではないかと思います。
私も商品化ということで少し⼆の⾜を踏んでた部分もあるんですけども、今回のプロジェクトで何がなんでもやらなきゃいけないみたいな後押しをされる感じもあるので、そういう意味でも凄い良かったです。』
まとめ
他者の⼒を借りて事業を推進する、実現することは、業務委託・外部発注・アウトソーシングなど、これまでも社会⼀般的に⾏われてきました。
昨今では、副業やスキルシェアといった形で参⼊される⽅々も増え、お互いに可能性が拡がっています。
また、副業やスキルシェアには、⾦銭的な報酬よりも経験的な報酬や地域貢献などを動機とする⽅々が少なくないといった特徴もあります。
企業にとっては、事業の推進や課題の解消など。
副業⼈材にとっては、経験によるスキルアップや地域貢献など。
それぞれの想いを実現し合う⼿段の1つとして副業プロジェクトを検討されてみてはいかがでしょうか?
本記事が、地域企業の皆様にとっても、副業に関⼼のある⼈材の皆様にとってもご参考になれば幸いです。
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